福岡市中央区平尾2-3-21
商品券名:ひらぐらペイ
販売:2020年11月2日~
利用:2020年11月2日~2021年1月31日
平尾商工連合会 会長代行
福岡市議会議員 田中 慎介 様


Q:今回キャッシュレス商品券を導入した理由を教えてください。
A
元々は、キャッシュレス商品券ができることを知らず、商工会議所の担当者から今年の夏に案内をもらいました。5年前にプレミアム商品券の販売を6,000万円分販売しました。
今回は、コロナ禍を踏まえて当初4,000万円分でプレミアム商品券を販売予定でしたが、キャッシュレス商品券「ひらぐらペイ」も販売することになり、半分(2,000万円)をキャッシュレス商品券に割り当てました。
福岡県、福岡市からの補助金もあったので、助かりました。
システム導入は、プレミアム商品券事業終了後の活用を見据えて、スマホ専用アプリを提供している九州電力・筑邦銀行のシステムを採用しました。

Q:導入するにあたり、創意工夫した点や苦労した点を教えてください。
A
最初は、キャッシュレス商品券を2,000万円分割り当てた際には、役員会の中でも「そんなに売れるのか?」という雰囲気もありました。
導入する際の事務局にとってのメリットとして、
・事務運営側は、紙チケットよりも多くの補助を受けることができる
・紙チケット販売時よりも在庫を持たない
・換金業務がなくなるなどの負担軽減になる)
は大いにあることは理解していたため、
店舗への説明は「個店にとってのメリット」を中心に説明して回った。(他のキャッシュレス手法と比べて決済手数料は補助金で賄うことと、振込手数料は商工連合会が負担するという点)
参加するには、商工連合会に入会することを前提に進め、全体で80店舗うちの40店舗が通常のプレミアム商品券への参加で、その中でもキャッシュレス商品券の取り扱いをする店舗は26店舗になった。PayPay等のキャッシュレス決済を既に導入している店舗はスムーズな導入であった。
参加しない店舗(10店舗)は、参加を勧める段階で「よくわからない」「レジ処理が煩雑になる」「キャッシュレスはハードルが高い」という意見でした。今後参加を理解頂くための施策(知恵)が必要。
コールセンターの存在も、取扱店舗および利用者からの連合会事務局への問い合わせを減らせるという点で大きなポイントでした。
店舗の導入サポートは、事務局が対応していたが、大きな影響・クレームはなかった。

Q:広報はどのように実施されましたか?
A
キャッシュレス商品券対応として、(紙チケットとの)共通のA3版チラシの中でキャッシュレス商品券の紙面割合を大きくすることに加えて、キャッシュレス商品券専用のA4版チラシ(システム登録利用説明のチラシ)を用意しました。
特にA4判チラシについては、各店舗でこのビラを活用することによりお得様に告知して頂いた。
商工連合会の公式WebサイトやSNS(Facebookの有料広告)を使って告知活動も行いました。通常の紙チケットの商品券と同様キャッシュレス商品券も11/2から販売しました。
11/2~販売して、約1か月で1,000万円分を販売しましたが、残り分も完売できる見込みです。


Q:売り上げにはどのように繋がりましたか?
A
始まったばかりですからまだまだですが、11/30時点で約500万円分の利用が確認できています。しかし、当初の見込みからすると、「キャッシュレス商品券を使ってもらっている」という感覚です。
また、店舗側でも高額商品を取り扱っている店舗(自動車修理工場、衣料品、飲食店など)は、利用が進んでいるようです。
スマホ専用アプリのダウンロードは、現在(12/1現在)で約300ダウンロードですが、最終的には1,000ダウンロードまでもっていきたいと考えています。

Q:利用者の方々の反応はいかがでしたか?
A
データ分析は、終了後に行いますが、新規顧客(平尾地区以外の住民)も増えているようですし、プレミアム商品券の発行を契機として商工連合会への新規加盟店舗も10店舗に迫る勢いで増えています(衣服・飲食・肉屋など)。
※プレミアム商品券事業に参加するには平尾商工連合会に加盟する必要がある。

Q:店舗からの相談についてはいかがでしたか?
A
特に大きな相談はなく、支払いもすべて銀行口座振り込みにしたため、商品券利用後の換金業務もなく、効率的になっているようです。
システム上では、大きな混乱はなかったようですが、アプリでは、入金画面の文字や金額が小さく見にくい点や決済時の音が小さい点、売上計上された際にメール配信をしてほしいという要望が上がっています。

Q:他の地域の事例を参考にしましたか?
A
直接ヒアリングはしていませんが、同じシステムを利用している「うきは市商工会」「太宰府市商工会」は、参考にしました。
Q:次年度以降の計画はいかがですか?
A
1月末で事業自体は終了する予定ですが、県市の助成が次年度も継続されるのであれば、ぜひ継続時して実施(再発行)したい。
現在利用しているシステム(アプリ)が安価で今後も利用できるのであれば、「クーポン発行機能」や「お知らせ機能」を活用し、地域イベント等と連携し商店街の利用者を増やしていきたい。
当面は、年度内に県市が検討している追加の補正予算で、年度末までに「キャッシュレス商品券を追加販売」ができればと考えています。
また、「平尾まちゼミ」を開催していますが、今年は新型コロナウィルスの影響で中止となっています。次年度はオンライン配信で再開し(キャッシュレス商品券を参加した方々に配布できればとも考えています)、参加者に電子マネーによる還元等を検討したい。
さらには、仮想商店街として、ネット販売も行いたいとも考えており、その決済手段として今回のキャッシュレス商品券販売の際に導入したアプリが活用できないか検討しています。
継続事業ができるのであれば、キャッシュレス商品券の比率を増やしていき、紙の商品券自体はなくす方向で役員会に提案したい。

Q:今後の事業推進にあたって、国や県への要望はございますか?
A
キャッシュレスに関する商店街サイドの費用負担(特にサーバー維持費など運用にかかる維持管理費用)の低減で、商店街の負担を助成金なしでも運用できるようしてもらいたい。
また、集客支援・PR支援もぜひともお願いしたいです。