福岡市中央区天神
商品券名:新天町プレミアム付きモバイル商品券
販売:2020年9月24日~2020年10月23日
利用:2020年9月24日~2020年12月31日
理事宣伝部 山崎 栄治 様

Q:今回キャッシュレス商品券を導入した理由を教えてください。

A

ここ数年「キャッシュレス推進」の話題があり、商工会議所様から「モバイル商品券の発行事業」の取り組みの依頼がありました。商店街としても「先行的、実験的」にキャッシュレス事業に取り組んでみたいと以前から考えておりましたので、良い機会を頂戴したと思っております。
また、新型コロナウィルスの影響で「非接触」ということも言われ始めていたことも、この事業に取り組む大きな理由でした。
販売当初よりお客様に評判がよく、結果としまして増額や販売期間の延長等、商工会議所の方々には多大なご配慮を頂戴して、期限を迎えることなく3000万の目標を達成できました。
現行型の紙の商品券の完売も合わせ商店街全体に、今期の売り上げの大きな下支えになっていると実感しております。

Q:導入するにあたり、創意工夫した点や苦労した点を教えてください。

A

商店街としては、約100店舗50名を超えるオーナー様がいますが、毎年プレミアム商品券の販売は行っていたため、取り組み自体には大きな問題はありませんでした。
しかし、キャッシュレス事業に関して新たな取り組みをするにあたり、理事会の承認の上で理事宣伝部のメンバーを中心に各店舗のオーナー・店長を訪問して、説明して回りご協力していただけるよう努めました。
モバイル商品券について、最初は少額で取り組むこととし、現行型商品券は3日間の短期間での販売をモバイル商品券は長期間での販売ということで差別化をしました。
ポイントとして、「高齢者に対応できるのか」「情報発信は問題ないのか」「モバイル商品券に興味をもって購入してくれるのか」などの意見はありました。宣伝部と事務局で、丁寧な対応と説明・サポートで取り組み、アーケード商店街全体が加盟店となりました。
ITに詳しいスタッフがいるわけではありませんが、わかる人がアーケード内を走り周り、困っている店舗や利用者のサポートをしていくことが経験となって、ある程度自分たちで対応できるレベルになっていきました。
特に若手の経営者がアーケード内で分散して店舗にいたことも功を奏して、大きなトラブルにはならなかったです。
購入は、QRコードを使っての販売となったため、事務局の現場負担は少なかったです。
システムはみずほ銀行のシステムを採用しました。システム自体が成熟されていないこともあり、トラブルが多発しました。
各種問題等で、スムーズな購入ができないことも発生しました。事前に「返金対応はできない」ことは説明していました。
当初の2か月間は、予期せぬことが多く発生しました。例えば、
・チャージするためのアカウント(メール取得から設定)作りが厳しい
・5年以上前のスマホを利用されているためうまく接続できない
・OSのバージョンアップをされていないためシステムに対応していない、
・スマホのカメラ設定ができていない。
・キャリアごとに設定画面が違っているため、操作(捜査)が難航。
上記のほかに、登録自体うまくできないことや返金トラブルなどもありました。

Q:広報はどのように実施されましたか?

A

やれることはほとんど実施しました。TVCM、交通広告、新聞広告、DM送付(2万枚)、ポスター掲示、Webサイト、SNSでの発信などを行いました。
今まで商店街に来街しないと商品券が購入できませんでしたが、来街しなくてもモバイル商品券を購入ができ、来店されているお客様に対しては、店舗スタッフが積極的にモバイル商品券をご案内することにより、新たな顧客を獲得する機会となりました(個別告知誘導)。
各店頭に於いてもポスター掲出をお願いし、Webサイトへの誘導(QRコード)をして、サイトで購入する流れを作りました。

新聞折り込み

Q:売り上げにはどのように繋がりましたか?

A

今年は、新型コロナウィルスの影響で「春の創業祭」は中止となり、代わりに「秋の創業祭」を開催する事となりましたが、現行型プレミアム商品券は、3日間ともに昼過ぎには完売の状況でした。
モバイル商品券は、9/24から1,000万円1,000口を販売しましたが、9/26の時点で、500口を販売。追加で3,000万円に増額し販売しました。
若い方、高齢者の方に関係なく、スマホを所有されている方については、それほど抵抗感なく購入する傾向で、毎日40~50口はコンスタントに販売しています。11/13に完売となりました。
店舗では、理解度の高いスタッフがお客様のモバイル商品券購入をサポートすることで、売り上げが伸びた店舗もありました。貴金属店や着物など高額商品を扱っている店舗様の売り上げが伸びています。
現行型商品券(紙)は、日用品等の購入が多く、普段は購入しないが興味がある高額商品に対してモバイル商品券を利用される方が多いようです。店舗自らの積極的なモバイル商品券の売込みにより、単価のUPなど一定の効果を感じて頂けたものと考えます。

DM

Q:利用者の方々の反応はいかがでしたか?

A

スマホ決済への理解は高まりました。60代以上の高齢者の方であってもスマホを所有している方でスマホ決済にチャレンジされる方も多く見受けられました。商品券が完売したこともあり、電子チケットを購入する方も増えました。
店舗に来店され、スタッフから電子チケット購入を勧められ、スマホ自体をスタッフに預けて設定までしてもらう方もいらっしゃいました。
電子チケットを抵抗なく利用される層は、30~50代の男性が中心で、高齢者や女性はクレジットカードとの紐づけすること自体に抵抗感を持たれる方もいました。

<WEBサイト>

Q:店舗からの相談についてはいかがでしたか?

A

クレジットカード決済やキャッシュレス決済を導入していない店舗もあり、反発もありましたが、戸別訪問で対応し、店舗にいる若手のスタッフを味方につけて、対応できるようにしました。
最初に宣伝部の方で、電子チケットはNGと考える店舗をリストアップして、約20店舗を戸別訪問で説得し、加盟してもらいました。
飲食店など日用品を取り扱っている店舗からは、ご利用金額の関係から、モバイル商品券購入時の単価設定を下げてほしい(10,000円→5,000円)という要望もあります。
データ分析はこれからですが、電子チケットはデータ分析ができることがメリットと考えます。
事務局も店舗側も初めての取り組みであったため、事務処理や支払いの手続き等に手間取っています。売り上げの締めをダブルチェックしますが、紙の場合は簡単ですが、電子チケットは伝票起票がうまくいかないケースや出し忘れ等があります。

Q:他の地域の事例を参考にしましたか?

A

特にありません。

Q:次年度以降の計画はいかがですか?

A

モバイル商品券と現行型商品券は両建での取り組みが良いと思っています。更にモバイル商品券は時代のニーズでもあり対面販売ではないので商店街としては長期間での販売が可能になります。
季節ごとのイベントなど集客機会時に上手く連携させることで商店街全体の売り上げを伸ばせる一因になると考えます。
次年度もこの事業の実施が可能であるなら、今年度の経験を活か準備期間の対応・加盟店へのサポート等ブラッシュアップして、より効率的で利便性を実感して頂ける事業にしたいです。
次年度も機会を頂戴できるなら、是非積極的に取り組んで参りたいと思います。

Q:今後の事業推進にあたって、国や県への要望はございますか?

A

当初商工会議所の方からお話を頂戴した際は、実験的な取り組みとしての導入との認識でしたが、結果的には実績まで伴い、新たな需要の機会も起こりましたので、取り組みの機会を頂戴したことには、心より感謝申し上げたいです。
モバイル商品券は、非接触型の決済手段として、お得意様へのメリットや顧客拡大が可能な実績が残せる事業であると実感しました。
但し、今後実施継続の上では、手数料負担の面や決済システムの運営上の課題もあり、更なる有効性を目指してご相談させて頂きたいと思っております。ありがとうございました。

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